海に住む生き物と人間との比較を、すごく分かりやすく紹介してくれている動画を見つけました! 現存する海洋生物から、図鑑でしか見たことのない古代の巨大生物まで、一気にシンプルにスッと頭に入ってきます。
地球上で最も大きな哺乳類と言われるシロナガスクジラ。通常個体で26〜27mもあり、最大で34mの個体が確認されているというから驚きです。そんな超巨大なクジラをさらに凌駕するかもしれない、未知のモンスターについて、今回は動画で紹介されているBloop(ブループ)を中心に掘り下げてみたいと思います。
シロナガスクジラをも凌ぐスケールで動画のラストに登場するBloop(ブループ)。これは、南アフリカの南端沖で海中観測された、発生原因不明の低周波音波のことを指します。「目撃された」という話もあるようですが、実際にその姿が確認されたわけではありません。
なぜこんなにも注目されたのか? その音波が、生物が発生させる音に非常に似ており、しかも記録上、確認されているどの生物(シロナガスクジラを含む)が出す音よりも圧倒的に大きかったからです。このことから、「深海には、あの音を出すような未知の巨大生物が潜んでいるのではないか?」という議論が巻き起こりました。
ちなみに、現在の科学的な調査では、ブループの音は、南極大陸の氷河が海に崩れ落ちる際などに発生する「氷震(ひょうしん)」と呼ばれる自然現象によって生成された低周波音波である、という説が最も有力視されています。
Sea Monsters Size Comparison. The Largest Sea Animals, Living and Prehistoric
G’s Data Lab
ブループ以外にも、海中では様々な発生原因不明の低周波音波が観測され、中には未知なるモンスターの存在を想像させる、ロマンあふれるものもあります。いくつかご紹介しましょう。面白い音が見つかり次第、また記事で紹介できたらと思っています。
1991年8月にアメリカ海洋大気庁(NOAA)によって公表された、原因不明の低音波です。発生源である場所は、火山性地震が多いエリアに近い場所ですが、具体的に何が音を出しているのかは不明なままです。驚くことに、この未知の音波は現在でも観測され続けているそうですよ。
この音は、元々ソビエト連邦の潜水艦を探知するために作られた、SOSUS(水中マイク)と呼ばれる軍事目的のシステムによって検出・録音されました。SOSUSの存在は秘匿されていましたが、Upsweepの観測自体は1991年より前から行われていたそうです。
The Mysterious Sound in the Pacific that Won’t Go Away (Upsweep)
1999年3月1日にNOAAが観測した、わずか15秒間ほどの発生原因不明の低周波音波です。この音が動物が出す声に非常に似ていたことから、「動物が出している音では?」「まだ見ぬ雑種の海水生物かもしれない?」という説まで議論されました。短くても、その音のインパクトが大きかったことが分かりますね。
Julia Sea Sound
1997年3月5日にNOAAによって録音された謎の音波です。まるで列車が走るような音に聞こえることから、Train(トレイン)と名付けられました。漂流中の巨大な氷山が、海底や他の氷山と擦れる摩擦音ではないか、という仮説が有力視されています。
The Unexplained Train Sound Heard Deep in the Pacific (The Train Sound)
1997年7月7日にNOAAによって赤道付近の太平洋で録音された音です。高周波の、口笛のような音だったとされています。この音が特にミステリアスなのは、発生源が不明なだけでなく、他の水中マイクでは一切録音された例が報告されていない点です。まさに「幻の音」と言えるかもしれません。
Whistle sounds (sea monster)
1997年5月19日にNOAAによって赤道付近の太平洋で録音された音波です。7分以上の時間をかけて、ゆっくりと周波数が低くなっていったことから、Slow Down(スロー・ダウン)と呼ばれています。まるで深海の底から、何か巨大なものがゆっくりと動きながら発しているかのような…想像力を掻き立てられる未知の音です。
The Mysterious ‘Slow Down’ Sound of Unknown Origin
科学者たちの間では、今回ご紹介したような発生原因不明の音の多くは、自然現象によって説明できるという見方が強いです。しかし、生物の音に似た特徴を持つもの、特にブループのように非常に巨大な生物を想像させる音に関しては、まだ解明されていない部分もあります。
「深海巨大症候群」という言葉をご存知でしょうか? これは、無脊椎動物や他の深海で生活する動物種が、浅いところに棲む近縁の動物種よりも体が大きくなる傾向がある、という説です。もしこの説が正しいなら、シロナガスクジラよりもさらに巨大な動物種が、光の届かない深海にひっそりと棲息している可能性もゼロではありません。
そう考えると、ブループがもし実在する未知の巨大生物が出した音だったとしたら…そして、他の発生原因不明の音も、まだ見ぬ生物の鳴き声だったとしたら…! 考えるだけで、なんだかワクワクしてきませんか?
地球の海の底には、私たちの知らないミステリーがまだまだたくさん眠っているようです。こうした未知の音や深海巨大生物の存在について考えるのは、本当に楽しい時間ですね。
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