春になると、毎年少しだけ憂鬱になる。暖かい日差しに包まれて、道端では花が咲き始める。空気もどこか軽やかで、散歩には最高の季節。だけど私にとっての春は、花粉症という厄介な相棒と過ごす時期だ。
朝、目を覚ました瞬間から始まる戦い。鼻の奥がムズムズして、くしゃみが止まらない。鏡を見れば目が赤く、少し腫れている。ひどい日は目を開けているだけでかゆくてつらい。洗面台で顔を洗うけど、スッキリしない。朝ごはんを食べる間もティッシュが手放せない。
家の中でも油断はできないから、空気清浄機が欠かせない。リビングでも寝室でも、ずっと稼働させている。酷いときは、とうとう薬に頼るしかない。市販の薬を飲むと、症状は少し落ち着くけど、眠気が襲ってくる。花粉症用の目薬やスプレーも、春が始まる前にしっかり準備している。
さらに最近は、黄砂という新しい敵も登場。外の空気を吸うと喉がイガイガするし、部屋の窓を開けるのもためらってしまう。洗濯物も外に干すのが怖い。晴れた日は外に出たくなるけど、症状がひどくなるのが分かっているから、結局家で過ごすことが多い。
でも、そんな中でも春を少し楽しめる瞬間がある。それは雨の日だ。雨が降ると花粉や黄砂が地面に落ち着くので、外の空気がきれいになる。そんな日は窓を少しだけ開けて、深呼吸するのが気持ちいい。カーテン越しに雨音を聞きながら、ゆっくりコーヒーを飲む時間は、私にとっての癒しのひとときだ。
春は本当に美しい季節だと思う。でも、花粉症と黄砂があるせいで、その楽しさを全力で味わえないのがもどかしい。それでも、毎年こうして春を乗り越えていくたびに、「また次の季節がやってくるんだな」と思う。だから、少しずつ自分なりの工夫をしながら、なんとかこの季節と向き合っていこうと思う。
この記事をシェアする