吉本ばなながデビュー作「キッチン」を執筆したのは、1987年、実家の風呂場だったというから驚きだ。当時、大学卒業後にバイトしながら作家を目指していた彼女は、家族が寝静まった夜中にこっそり風呂場に籠もり、湯船の縁にノートを置いてペンを走らせた。理由は「静かで集中できるし、暖かいから」。そんな風呂場で生まれた「キッチン」が芥川賞候補になり、一気にベストセラーになったのだから笑える。後に彼女は「風呂場だとアイデアが湧くんです」とインタビューで語っていて、その妙なこだわりがチャームポイントに。家族が朝起きて「またばななが風呂場にいる…」と呆れる姿を想像すると、ユーモラスで愛らしいエピソードだ。
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