米軍は偵察機が写した日本軍の急造トイレの写真から島にいる日本軍の兵力を推測した。結果的にその推測は正しかった。
太平洋戦争中、アメリカ軍は日本軍が占拠する島嶼への上陸作戦を繰り返しました。その際、正確な兵力情報を得ることは作戦の成否を左右する極めて重要な要素でした。
しかし、レーダーや通信傍受といった手段だけでは、隠蔽された陣地や偽装された兵力を見抜くことは困難でした。そこで注目されたのが、航空偵察写真に写る「トイレ」の存在です。
日本軍は、衛生環境を保つため、ある程度の兵員規模ごとにトイレを設置していました。アメリカ軍の分析官たちは、偵察写真に写ったトイレの数、種類(仮設か本格的なものか)、そして使用頻度から、そこに駐屯する日本兵の数を推定したのです。
例えば、明らかに多数の兵士が使用していると思われるトイレがあれば、その周辺には相応の兵力が配置されていると判断できます。また、トイレの構造や材料から、駐屯期間の長さや部隊の性格を推測することも可能でした。
この、一見地味な「トイレ分析」は、実際の兵力と高い相関性を示し、アメリカ軍の作戦立案に大きく貢献しました。もちろん、トイレの数だけが兵力判断の根拠ではありませんでしたが、他の情報と組み合わせることで、より精度の高い推定を可能にしたのです。
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