神聖ローマ皇帝は「エルサレム王」なる称号を持っていた。イギリス王も「フランス王」を名乗っていた
神聖ローマ皇帝が「エルサレム王」を名乗っていた背景には、複雑な歴史的経緯があります。13世紀、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世がエルサレム王位を継承しましたが、実際にエルサレムを統治したわけではありません。名目上の称号に過ぎませんでした。
一方、イギリス王が「フランス王」を名乗っていたのは、百年戦争(1337年~1453年)に端を発します。イングランド王エドワード3世が、フランス王位継承権を主張したのです。
以後、イングランド(後のイギリス)王は、フランス国内に領土を持たなくなった後も、この称号を保持し続けました。これは、フランスに対する潜在的な領土的野心を象徴するものと見なされていました。
しかし、実際にはフランスを統治する意図は薄れており、名目的な称号に過ぎませんでした。最終的に、ジョージ3世の時代(1801年)に、この称号は放棄されました。
これらの称号は、中世ヨーロッパの複雑な政治状況と、王家の権威や領土的野心を象徴するものでした。
▶︎いつもありがとう!
▶︎ SNS