飛行機内では香りや味の感覚が20%~50%ほど低下する
**解説:**
飛行機に乗ると、機内食があまり美味しく感じられない、または香りが弱く感じるという経験をしたことはありませんか? これは気のせいではなく、実際に味覚や嗅覚が鈍くなっていることが原因です。
高度約1万メートルの上空を飛行する機内は、地上とは大きく環境が異なります。まず、湿度が非常に低い(10~20%程度)。これは砂漠よりも乾燥した状態です。乾燥した空気は鼻腔内の粘膜を乾燥させ、嗅覚受容体の働きを低下させます。
次に、機内の気圧も影響します。客室は地上よりも低い気圧に調整されていますが、それでも地上と全く同じではありません。気圧の低下は味蕾の感受性を鈍らせ、特に甘味や塩味を感じにくくさせると言われています。
さらに、飛行機の騒音も味覚に影響を与える可能性があります。騒音はストレスとなり、味覚を抑制する方向に働くことがあります。まるでコンサート会場で食事をするようなもので、味に集中するのは難しいでしょう。
これらの要因が複合的に作用し、機内では香りや味の感覚が20%~50%ほど低下すると言われています。航空会社は、この点を考慮して、地上よりも濃い味付けの機内食を提供したり、香りの強い飲み物(トマトジュースなど)を用意したりするなどの工夫を凝らしています。
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