ドンキーコングはキングコングに訴えられた。1982年には米大手映画会社のユニバーサル映画が、『ドンキーコング』は当時同社が版権を保有していたとされる映画『キングコング』のキャラクター著作権を侵害しているとして損害賠償を求める訴訟を起こした。
これに対し任天堂の米国法人であるNintendo of America(NOA)は逆に「ユニバーサル映画が同訴訟を提起したことは『ドンキーコング』の名誉を毀損した」として反訴を起こす。
最終的に「『ドンキーコング』と『キングコング』は全くの別物である」という任天堂の主張が認められた結果、1986年に任天堂はユニバーサル映画から約160万ドルの損害賠償を勝ち取った。
1982年、任天堂のアーケードゲーム「ドンキーコング」が大ヒットする中、映画会社ユニバーサル映画が任天堂を訴えました。
その主張は、「ドンキーコング」がユニバーサル映画が権利を持つと主張する「キングコング」の著作権を侵害しているというものでした。ユニバーサル映画は、過去にキングコング関連の商標権を巡る裁判で有利な判決を得ていたことから、この訴訟にも自信を持って臨んだとされています。
しかし、任天堂は断固として争いました。
当時の任天堂アメリカ(NOA)社長だった荒川實氏は、弁護士のジョン・カービー氏と共に徹底抗戦の構えを見せます。任天堂側は、キングコングは著作権保護の対象となるキャラクターではなく、パブリックドメインであると反論。
さらに、ユニバーサル映画が過去にキングコングはパブリックドメインであると主張していた事実を突き止め、裁判で決定的な証拠として提出しました。
結果、裁判所は任天堂の主張を全面的に認め、ユニバーサル映画の訴えを棄却。それどころか、ユニバーサル映画が不当な訴訟を起こしたとして、任天堂が約160万ドルの損害賠償を勝ち取るという、歴史的な逆転劇となりました。この勝利は、任天堂がゲーム業界で確固たる地位を築く上で、大きな転換点となった出来事として知られています。
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