「サザエさん」の単行本第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品された
「サザエさん」の単行本、その記念すべき第1巻は、実は書店員さんたちにとって、ちょっと困った存在だったのです。
当時の単行本は、一般的にA5判やB6判といった縦長のものが主流でした。ところが、サザエさんの第1巻は、なんとB5判の横綴じという、異例のスタイルで登場したのです。
これは、作者である長谷川町子さんの意向が反映されたもので、新聞連載時のイメージを再現しようとした試みでした。しかし、これが思わぬ事態を招きます。
書店員さんたちは、この横長の単行本を、通常の棚にうまく並べることができなかったのです。縦長の書籍が並ぶ中で、横向きのサザエさんは、どうしても収まりが悪く、場所を取ってしまいます。
結果として、せっかく出版された第1巻は、書店の店頭を飾ることなく、ほとんどが返品されてしまうという、悲しい運命をたどったのです。
その後、「サザエさん」の単行本は、一般的な縦長の形式に改められ、大ヒットを記録しました。初期の苦労があったからこそ、その後の成功があったのかもしれません。
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