村上春樹が小説家になることを決意したのは、
1978年4月のある晴れた日、
神宮球場でのヤクルトスワローズ対広島カープ戦の最中でした。
当時29歳だった村上春樹は、
ジャズ喫茶を経営するかたわら、
暇を見つけては野球観戦を楽しんでいました。
その日、彼は外野席でビールを飲みながら
試合を観ていました。
特に熱心なファンというわけではなく、
なんとなく球場に足を運んだそうです。
そして、アメリカ人選手の
デイブ・ヒルトンが放った
ツーベースヒットを見た瞬間、
「そうだ、小説を書こう」
と、まるで啓示のように思ったと
述べています。
特別な出来事があったわけでもなく、
劇的な感情が湧き上がったわけでもなく、
本当に「なんとなく」そう思ったそうです。
村上春樹はこの時のことを
エッセイなどで繰り返し語っており、
彼自身にとっても
非常に重要な転換点だったことが伺えます。
この出来事をきっかけに、
彼は喫茶店の閉店後、
毎晩机に向かい、
処女作『風の歌を聴け』を書き始めました。
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