川端康成がノーベル賞を取った際、駆け付けた三島由紀夫に記者が「次は三島さんの番ですね」と言ったところ「次は大江君だよ」と返し、そしてその通りになった
川端康成が1968年にノーベル文学賞を受賞した際、その祝福に駆けつけた三島由紀夫との間で、興味深いやり取りがありました。
受賞決定直後、多くの報道陣が川端のもとに集まりました。その中にいた記者が、三島に対し「次は三島さんの番ですね」と、皮肉半分、期待半分の言葉を投げかけたのです。
しかし、三島は自らを推すことなく、即座に「次は大江君だよ」と返しました。これは、当時すでに高い評価を得ていた若手作家、大江健三郎を指名したものでした。
この発言は、三島の文学的才能に対する客観的な評価眼を示すとともに、ライバルに対する複雑な感情を垣間見せるものとして、文学界で広く語り継がれるエピソードとなりました。
そして、三島の予言とも言える言葉通り、大江健三郎は1994年にノーベル文学賞を受賞しました。この事実は、三島の先見の明と、日本の文学界に対する深い洞察力を改めて印象づけるものとなりました。
川端、三島、大江という、日本を代表する三人の作家たちの関係性を象徴するエピソードとして、今もなお文学ファンに語り継がれています。
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