アイスランドと命名した島が、入植者を集めようとしてもまったく集まらなかったため、人を集めやすくするため「グリーンランド」に変更した。
**トリビアの解説:グリーンランド命名の真相**
アイスランドとグリーンランドの名前の由来には、
スカンジナビアの歴史における、
ある種の「不動産詐欺」的なエピソードが隠されています。
9世紀から10世紀にかけて、
ヴァイキングたちは積極的に探検と入植を行っていました。
アイスランドは、比較的早くから入植が始まりましたが、
グリーンランドはそれより少し遅れて、
10世紀末に赤毛のエイリークによって「発見」されました。
エイリークは、殺人罪でアイスランドを追放され、
新たな土地を探す必要に迫られていました。
グリーンランドにたどり着いた彼は、
その土地を「グリーンランド(Grænland)」と名付けました。
しかし、当時のグリーンランドは、
現在よりも温暖な気候だったとはいえ、
その大部分が氷に覆われた不毛の地でした。
それでもエイリークが「緑の土地」と名付けたのは、
入植者を呼び込むための戦略だったと考えられています。
つまり、**人々を騙してでも移住させたかった**のです。
一方、アイスランドは「氷の土地(Ísland)」と名付けられましたが、
これは意図的なものではなく、
単に初期の入植者が厳しい冬を経験したためだと考えられています。
必ずしも、グリーンランドと対比させるために名付けられたわけではありません。
結果として、グリーンランドという名前は、
エイリークの宣伝戦略として一定の効果を発揮し、
少数の入植者がグリーンランドに定住しました。
しかし、グリーンランドの厳しい環境は、
入植者たちに多くの困難をもたらし、
最終的には15世紀頃に、
ヴァイキングの入植地は消滅してしまいました。
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