日本の第一回国勢調査は「文明国の仲間入り」を合言葉に各地でサイレン、大砲が鳴り、お寺やお宮では鐘、太鼓を鳴らし、文字どおり鳴り物入りのお祭り騒ぎで国を挙げての一大行事だった。
**詳細な説明:**
日本の第一回国勢調査は、1920年(大正9年)10月1日に行われました。当時の日本は、日露戦争の勝利などを経て国際的な地位を高め、「文明国」の一員として認められることを強く意識していました。
この国勢調査は、近代国家としての基礎を固める上で不可欠な情報収集の手段と位置づけられ、政府は国民の意識を高めるために大々的な広報活動を展開しました。
「文明国の仲間入り」というスローガンは、国民に近代化への期待感を抱かせ、調査への協力を促す効果がありました。各地でサイレンや大砲が鳴り響き、寺社では鐘や太鼓が打ち鳴らされるなど、まるで祭りのような騒ぎだったという記述は、当時の社会の熱狂ぶりを象徴的に表しています。
しかし、実際には、戸籍制度があったにもかかわらず、全国民を対象とした詳細な人口調査は初めての試みであり、様々な困難がありました。調査員の質のばらつきや、プライバシー意識の低さなどから、正確なデータ収集には課題も残りました。
それでも、この第一回国勢調査は、日本の人口構造や産業構造を把握するための貴重なデータとなり、その後の政策立案に大きく貢献しました。騒々しい「鳴り物入り」の裏には、近代国家としての発展を目指す日本の強い意志が込められていたと言えるでしょう。
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