鹿児島県の火山灰が降る地域の住宅には、洗濯物を干すための部屋がある。
鹿児島県、特に桜島周辺など火山灰が頻繁に降る地域では、住宅に「灰干し部屋(はいぼしべや)」と呼ばれる、洗濯物を干すための専用の部屋が設けられていることがあります。
これは、火山灰が洗濯物に付着するのを防ぐための生活の知恵です。火山灰は粒子が細かく、一度付着すると落とすのが困難なため、屋外で洗濯物を干すとせっかく洗ったものが再び汚れてしまう、という事態になりかねません。
灰干し部屋は、一般的に窓を閉め切って換気扇を回すなどして、外からの灰の侵入を最小限に抑える工夫がされています。また、部屋干し用の設備(物干し竿、乾燥機など)が備え付けられていることも多いです。
近年の住宅事情の変化や、洗濯乾燥機の普及などにより、灰干し部屋を持たない家も増えていますが、依然として火山灰の降灰が多い地域では、生活に根ざした知恵として受け継がれています。
火山灰の降灰は、洗濯物だけでなく、健康被害や交通機関の麻痺など、生活に様々な影響を与えます。灰干し部屋は、そんな火山灰と共存するための、鹿児島県民の知恵の結晶と言えるでしょう。
▶︎いつもありがとう!
▶︎ SNS