ペナントウィングドナイトジャー(Pennant-winged Nightjar)は、英語名そのままに「旗を掲げた翼を持つヨタカ」という意味を持つ、驚くほど美しい夜行性の鳥です。ヨタカ科に属し、アフリカのサハラ以南のサバンナや開けた森林地帯に広く生息しています。特に繁殖期のオスが繰り広げるディスプレイが圧巻で、世界中のバードウォッチャーや野生動物ファンを魅了しています。
この鳥の最大の見どころは、繁殖期のオスだけが持つ非常に長い第二初列風切羽です。通常の状態では普通のヨタカらしい地味な茶色と灰色のまだら模様の羽根ですが、繁殖期になると翼の両側からリボンのように細長く伸びた白い羽が現れます。その長さは体の倍近くにもなり、夜空を飛ぶ姿はまるで旗をはためかせながら舞う妖精や、ファンタジーの翼を持つ生き物のようです。この飾り羽はメスを引きつけるためのディスプレイ用で、飛翔中に優雅に揺れる様子は息をのむほど美しいと評されます。
昼間は地面や低い枝にじっと止まって、完璧なカモフラージュで敵から身を隠しています。夜になると活動を始め、大きな口を広げて蛾や甲虫などの飛ぶ昆虫を捕らえます。ヨタカの仲間らしく、くちばしは小さくても口は驚くほど大きく開くため、暗闇の中でも効率的に狩りができるのです。
生息地は主に西アフリカから東アフリカ、南アフリカにかけての広い範囲ですが、季節によって移動する渡り鳥でもあります。繁殖期は雨季に合わせて行われ、オスは夜空で飾り羽を広げながら独特のディスプレイ飛行を披露します。メスはその姿に惹かれてパートナーを選び、地面に直接卵を1〜2個産みます。巣は作らず、落ち葉や土の上にそのまま産むシンプルなスタイルです。
鳴き声は「クィック・クィック」という繰り返しの音や、翼を鳴らす音が特徴的で、繁殖期の夜には遠くまで響き渡ります。インターネット上では、長い飾り羽を広げて飛ぶ動画が拡散されるたびに「天使の鳥」「リボンを付けた妖精」と話題になり、オオミミヨタカと同じく「ファンタジーの世界から飛び出してきたような鳥」として人気です。
現在、IUCNのレッドリストでは軽度懸念(低危険種)に分類されており、絶滅の危機は比較的低いとされています。ただし、生息地の農地開発や気候変動の影響を受けやすいため、長期的な観察が必要です。
ペナントウィングドナイトジャーは、夜の空に舞う一瞬の美しさがすべてと言える鳥です。もし機会があれば、ぜひ繁殖期のディスプレイ飛行の動画を探してみてください。あの優雅で幻想的な姿に、きっと心を奪われるはずです。自然界は、本当に驚きと感動に満ちていますね。
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