5月20日は何の日?何の記念日?。簡単なエピソードとぽんぷーのイラストを添えてご紹介します。ちょっとした雑学ネタとして、何となく知ってたらいつか役に立つかも?
※面白い記念日が認定されたら追加していきます。
花粉を運び、食を支える小さな立役者: 世界ミツバチの日 (World Bee Day)
スロベニア政府の提案に基づき、2017年(平成29年)12月の国連総会で制定された国際デーの一つです。日付は、近代養蜂の先駆者とされるスロベニア出身のアントン・ヤンシャ(Anton Janša)の誕生日(1734年5月20日)にちなんでいます。
Q: なぜミツバチのための国際デーが設けられたのですか?
A: ミツバチは、はちみつを作るだけでなく、花の蜜を集める過程で多くの植物の受粉(花粉媒介)を助ける、生態系にとって非常に重要な役割を担っています。私たちが食べる果物や野菜などの農作物の多くも、ミツバチをはじめとする花粉媒介者(ポリネーター)の働きに依存しています。しかし近年、生息地の破壊、農薬の使用、病気、気候変動などの影響で、ミツバチの数が世界的に著しく減少しており、食料安全保障や生物多様性への深刻な脅威となっています。この危機的な状況に対する世界の意識を高め、ミツバチとその生息環境の保護を訴えるために、国連によってこの国際デーが制定されました。
Q: なぜ5月20日が選ばれたのですか?
A: 近代的な養蜂技術の発展に貢献した、スロベニアの養蜂家アントン・ヤンシャの誕生日(1734年5月20日)を記念して、スロベニア政府の提案によりこの日が選ばれました。
Q: 私たちにできるミツバチ保護のための行動は?
A: 自宅の庭やベランダでミツバチが好む花(蜜源植物)を育てること、農薬や殺虫剤の使用を控えること、地元の養蜂家が生産したはちみつを購入すること、ミツバチや環境保護に関する活動を支援することなどが考えられます。
世界共通のものさし、その歴史を祝う: 世界計量記念日 (World Metrology Day)
長さの単位「メートル」と質量の単位「キログラム」の基準を国際的に統一し、その維持・管理を行うための国際条約「メートル条約」が、1875年(明治8年)5月20日にフランス・パリで締結されたことを記念する国際的な記念日です。「メートル条約」締結125周年を記念して国際度量衡委員会(CIPM)が2000年に制定しました。

Q: なぜ5月20日が「世界計量記念日」なのですか?
A: 1875年の5月20日に、長さと質量の単位の国際的な標準化を目的とした「メートル条約」がパリで欧米17ヵ国によって締結された、まさにその歴史的な日付に由来します。この条約に基づき、国際度量衡局(BIPM)などが設立され、国際単位系(SI)の基礎が築かれました。
Q: 「計量(Metrology)」とは何ですか?なぜ重要ですか?
A: 「計量」とは、長さ、質量、時間、温度、電流など、様々な量を正確に「はかる」こと、そしてその基準(ものさし)を定め、維持・管理する科学技術のことです。正確で信頼性のある計量基準が国際的に共有されていることで、科学研究の進展、工業製品の品質管理、公正な商取引、医療の安全性、環境測定など、私たちの社会活動のあらゆる場面が成り立っています。
Q: この日にはどのようなことが行われますか?
A: 世界各国の計量標準機関や関連学会などが、計量の重要性に関する講演会、セミナー、展示会、研究発表会などを開催します。毎年特定のテーマが設定され、その年の計量に関するトピックスや課題について議論や啓発活動が行われます。
日本語をアルファベットで書く工夫: ローマ字の日
日本語のローマ字表記法の普及や改善、研究などを目的とする団体「日本のローマ字社」(現在は活動実態不明瞭)が1955年(昭和30年)に制定。日付は、同じくローマ字の研究・普及団体である「日本のローマ字会」が1922年(大正11年)5月20日に創設されたことを記念したものです。
Q: なぜ5月20日が「ローマ字の日」なのですか?
A: 日本語のローマ字表記の統一や普及を目指して活動した団体「日本のローマ字会」が、1922年(大正11年)の5月20日に設立されたことを記念して、後に「日本のローマ字社」によって制定されました。
Q: 日本語をローマ字で書くことには、どのような利点がありますか?
A: ローマ字(ラテン文字)は国際的に最も広く使われている文字体系であるため、日本語を母語としない人々にも発音の目安となり、固有名詞(人名、地名など)の表記や、国際的なコミュニケーションにおいて便利です。また、コンピューターやスマートフォンでの日本語入力方式(ローマ字入力)の基礎となっており、現代の情報化社会に不可欠なツールです。
Q: ローマ字表記には種類があるのですか?
A: はい、主に「ヘボン式」と「訓令式(くんれいしき)」の二つの方式があります。ヘボン式は英語の発音に基づいた表記(例:し→shi、つ→tsu、ち→chi)で、パスポートの名前表記などに使われます。訓令式は日本語の五十音図に基づいて、より規則的に表記する方式(例:し→si、つ→tu、ち→ti)で、小学校の国語教育で最初に習うのはこちらです。どちらの方式を使うかは、目的や場面によって異なります。
日本の空の玄関、世界へ開く: 成田空港開港記念日
1978年(昭和53年)5月20日に、千葉県成田市に「新東京国際空港」(2004年に「成田国際空港」に改称)が開港したことを記念する日です。日本の国際的な空の玄関口としての役割を担ってきました。
Q: なぜ5月20日が「成田空港開港記念日」なのですか?
A: 1978年(昭和53年)の5月20日に、多くの困難を乗り越えて、日本の新しい国際拠点空港として「新東京国際空港」(現:成田国際空港)が千葉県成田市で開港した、まさにその歴史的な日付に基づいています。
Q: 成田空港は日本の空の玄関口としてどのような役割を果たしていますか?
A: 開港以来、日本の主要な国際空港として機能し、世界各国の主要都市と日本を結ぶ多数の国際線旅客便・貨物便が発着するハブ空港としての役割を担ってきました。日本の国際的な人の往来や物流を支え、経済・文化交流に貢献する重要なインフラです。(近年は羽田空港の国際線も増便されています)
Q: 成田空港の開港にはどのような経緯がありましたか?
A: 高度経済成長に伴う航空需要の増大に対応するため、羽田空港に代わる新しい国際空港として建設が計画されました。しかし、建設予定地の選定をめぐって地元住民や農家との間で激しい反対運動(成田闘争)が起こり、開港が大幅に遅れるなど、多くの困難な経緯がありました。
首都の海の玄関、国際港へ: 東京港開港記念日
1941年(昭和16年)5月20日に、それまで国内輸送が中心だった東京港が、国際貿易を行うことができる港(外国貿易港)として正式に開港指定されたことを記念して、東京都が制定した記念日です。この日、芝浦埠頭と竹芝埠頭が完成し、国際港としての体制が整いました。
Q: なぜ5月20日が「東京港開港記念日」なのですか?
A: 1941年(昭和16年)の5月20日に、東京港が国際貿易港として正式に開港指定された歴史的な日付に基づき、東京都によって制定されました。これにより、東京港は横浜港などと並ぶ日本の主要な国際貿易拠点の一つとなりました。
Q: この記念日はどのような目的で制定されましたか?
A: 日本の首都・東京の海の玄関口として、国の経済活動や都民生活を支える重要な役割を担ってきた東京港の歴史と発展を記念し、港湾への都民の理解と関心を深めることを目的としています。
Q: 東京港は日本の物流においてどのような重要性を持っていますか?
A: 東京港は、首都圏約4000万人の生活と産業活動を支えるための物資(食料品、衣料品、雑貨、工業製品、原材料など)を扱う、日本最大の港湾の一つです。特に、コンテナ貨物の取扱量は日本一であり、世界各国との貿易を支える極めて重要な物流拠点となっています。臨海副都心(お台場など)の開発も進み、人々の憩いの場としての機能も持っています。
森林の恵みと保全を考える日: 森林(もり)の日
「森」という漢字が「木」を3つ組み合わせていること、そして5月は「木」が勢いよく成長する新緑の季節であることから、「5」と「木(≒three=3?)」を組み合わせ、さらに干支の「酉(とり=≒10?)」を合わせて5月20日とした、などの複数の由来・語呂合わせを持つとされる記念日です。(※日付の由来、制定団体は不明瞭です)森林の持つ多面的な機能や、その保全の重要性を考える日です。
Q: なぜ森林が大切なのですか?
A: 森林は、木材という資源を供給するだけでなく、水源の涵養(水を蓄え、浄化する)、土砂災害の防止、二酸化炭素の吸収(地球温暖化の緩和)、生物多様性の保全(多くの動植物の生息地)、そして人々に癒やしやレクリエーションの場を提供するなど、非常に多くの重要な機能(公益的機能)を持っています。
Q: 日本の森林はどのような状況ですか?
A: 日本の国土の約3分の2は森林で覆われており、世界有数の森林国です。戦後に植林された人工林が多く、これらが成熟期を迎えているため、適切な間伐などの手入れを行い、健全な森林として維持していくことが課題となっています。また、林業の担い手不足や、シカなどによる食害なども問題となっています。