宋に使者を派遣してきたミカエル7世の表記が、滅加伊霊改撒(ミカエル・カイザー)だった
**解説:**
11世紀、東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の皇帝ミカエル7世ドゥーカスは、宋(当時の中国)に使者を派遣しました。この時、宋の記録に残されたミカエル7世の表記が「滅加伊霊改撒(ミカエル・カイザー)」だったのです。
ここで重要なのは、当時の中国では外国の地名や人名を漢字で音写していた点です。つまり、「滅加伊霊改撒」は、ミカエル7世の称号である「ミカエル・カイザー」という音を漢字に当てはめた結果なのです。
「カイザー」はラテン語の「カエサル」に由来し、皇帝を意味する言葉です。東ローマ帝国の皇帝は、ローマ帝国の後継者としての権威を示すためにこの称号を用いていました。
宋の役人たちは、遠い異国の皇帝の名前を、自分たちの知っている音韻体系でなんとか表現しようと苦心したのでしょう。「滅加伊霊改撒」という、どこかユーモラスにも聞こえる表記は、当時の文化交流の様子を垣間見ることができる興味深い事例と言えます。
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