6月30日は何の日?何の記念日?。簡単なエピソードとぽんぷーのイラストを添えてご紹介します。ちょっとした雑学ネタとして、何となく知ってたらいつか役に立つかも?
※面白い記念日が認定されたら追加していきます。
地球への脅威を考える日: 国際小惑星デー
2016年(平成28年)12月の国連総会で制定。国際デーの一つ。この国際デーは、1908年6月30日に発生したツングースカ大爆発の日付に由来し、小惑星衝突の危険性について一般の人々の意識を高めることを目的としている。
ツングースカ大爆発について: 1908年6月30日、ロシア・シベリアのツングースカ川上空で巨大な隕石(または彗星の核)が爆発しました。この爆発による強烈な空振(衝撃波)は、半径約30~50kmにわたって森林を炎上させ、約2150平方キロメートル(東京都とほぼ同じ面積)の範囲の樹木をなぎ倒しました。これは、記録された歴史の中で地球に衝突した天体としては最大規模のものです。
Q: なぜツングースカ大爆発の日が「国際小惑星デー」に選ばれたのですか?
A: ツングースカ大爆発が、近代において地球に壊滅的な影響を与えうる天体衝突の現実的な脅威を最も劇的に示した事例であるためです。この歴史的な出来事を記憶し、小惑星や彗星などの地球近傍天体(NEO)がもたらす潜在的な危険性について、世界的な関心を高め、備える必要性を訴えるために、この日が選ばれました。
Q: 小惑星衝突の危険性はどのくらいあるのでしょうか?
A: ツングースカ規模の衝突は数百年から数千年に一度程度、さらに大きな文明を脅かす規模の衝突は数万年から数十万年に一度程度と考えられていますが、小さな小惑星の落下はより頻繁に起こっています。幸いなことに、現在、地球に衝突する可能性のある比較的大きな小惑星の多くは発見・監視されています。しかし、未発見の小惑星もまだ多数存在すると考えられており、国際的な観測体制の強化や、万が一の際の対策(軌道変更技術など)の研究が進められています。
Q: 私たちにできることはありますか?
A: まずは、国際小惑星デーなどを通じて、小惑星衝突のリスクや、それに対する科学的な取り組みについて関心を持つことが大切です。関連するニュースや情報をフォローしたり、科学館やプラネタリウムのイベントに参加したりするのも良いでしょう。将来的に、市民科学プロジェクト(小惑星捜索など)に参加する道もあります。
現代物理学の扉を開いた日: アインシュタイン記念日
1905年(明治38年)のこの日、アルベルト・アインシュタインが相対性理論に関する最初の論文「運動する物体の電気力学について」をドイツの物理雑誌『アナーレン・デル・フィジーク』に提出した。
Q: 相対性理論とは簡単に言うとどのような理論ですか?
A: この1905年の論文で発表されたのは「特殊相対性理論」です。これは、簡単に言うと「光の速度は誰から見ても常に一定であり、時間と空間は絶対的なものではなく、観測者の運動状態によって伸び縮みする」という理論です。これにより、それまでのニュートン力学では説明できなかった現象が説明できるようになりました。有名な「E=mc²」の公式もこの理論から導かれます。(後に発表される「一般相対性理論」は重力に関する理論です。)
Q: この論文はなぜ物理学にとってそれほど重要だったのですか?
A: それまでの物理学の常識であった時間と空間の絶対性という概念を根本から覆し、全く新しい時空観を提示したからです。これにより、高速で運動する物体の振る舞いや、質量とエネルギーの関係などが正確に記述できるようになり、原子物理学や宇宙論など、現代物理学の発展に不可欠な基礎を築きました。
Q: アインシュタインはこの年に他の重要な論文も発表しましたか?
A: はい、1905年はアインシュタインにとって「奇跡の年」と呼ばれています。この年、彼は特殊相対性理論の論文に加え、「光量子仮説」(光は粒子のような性質も持つという考え。後の光電効果の研究でノーベル物理学賞を受賞)に関する論文、「ブラウン運動」(液体中の微粒子が不規則に動く現象)に関する論文などを次々と発表し、物理学の複数の分野で革命的な貢献をしました。
一年の折り返し地点: ハーフタイム・デー
一年間の折り返し地点となる日。一年も残す所あと半分となる日。
Q: なぜ6月30日が「ハーフタイム・デー」なのですか?
A: 1年は365日(うるう年は366日)あり、そのちょうど真ん中の日にあたることが多いためです。厳密には、平年の場合、1月1日から数えて181日目が6月30日、残り184日となり、完全な中間ではありませんが、月末というキリの良さから、一般的に「一年の折り返し地点」として認識されています。(うるう年の場合は7月1日が中間日に近くなります)
Q: この日に何か特別なことをする習慣はありますか?
A: 特に定まった行事や習慣はありませんが、一年の前半を振り返り、後半に向けて目標を再確認したり、計画を立て直したりする良い機会と捉えることができます。スポーツの試合のハーフタイムのように、一息ついて後半に備える、という意味合いで使われることが多いようです。
Q: この日は他の記念日と重なることが多いですね?
A: はい、6月30日は「夏越の祓」という神事が行われる日でもあり、また多くの企業で上半期の締め日となるなど、様々な節目と重なる日です。そのため、「ハーフタイム・デー」という区切りを意識しやすいのかもしれません。
電子時代の幕開けを告げた発明: トランジスタの日
1948年(昭和23年)のこの日、アメリカのAT&Tベル研究所の物理学者ウィリアム・ショックレー、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3人が発明したトランジスタが初めて公開された。

Q: トランジスタとはどのようなものですか?
A: 電気信号を増幅したり、スイッチのように電気の流れをオン・オフしたりすることができる半導体素子です。それまで使われていた真空管に比べて、はるかに小型で、消費電力が少なく、寿命が長く、衝撃に強いという特徴を持っています。
Q: トランジスタの発明は社会にどのような影響を与えましたか?
A: 20世紀最大の発明の一つと言われ、現代の電子社会の基礎を築きました。トランジスタの登場により、ラジオ、テレビ、コンピューターなどの電子機器の小型化、高性能化、低価格化が一気に進みました。今日のスマートフォンやパソコン、その他あらゆる電子機器は、トランジスタ(及びその集積回路であるICチップ)なしには成り立ちません。
Q: 発明者たちはノーベル賞を受賞しましたか?
A: はい、ウィリアム・ショックレー、ジョン・バーディーン、ウォルター・ブラッテンの3人は、トランジスタの発明とその効果に関する研究により、1956年にノーベル物理学賞を共同受賞しました。ちなみに、バーディーンは後に超伝導の研究でもノーベル物理学賞を受賞しており、同賞を2度受賞した唯一の人物です。
半年の穢れを祓う神事: 夏越の祓(なごしのはらえ)
多くの神社で、半年の間に身についた罪や穢れ(けがれ)を祓い清め、残り半年の無病息災を祈願する神事が執り行われます。「水無月祓(みなづきばらえ)」とも呼ばれます。
Q: 夏越の祓では具体的にどのようなことが行われますか?
A: 神社によって様々ですが、代表的なものに「茅の輪(ちのわ)くぐり」があります。茅(かや)で作られた大きな輪を、定められた作法(多くは8の字を描くように3回)でくぐることで、心身を清め、疫病や災厄から逃れられるとされています。また、「人形(ひとがた)」と呼ばれる紙に自分の名前や年齢を書き、息を吹きかけて穢れを移し、それを川に流したり焚き上げたりして祓う儀式も行われます。
Q: なぜ茅の輪をくぐるのですか?
A: 日本神話に由来するとされています。ある旅人が、貧しいながらも親切にもてなしてくれた蘇民将来(そみんしょうらい)に対し、お礼として「腰に茅の輪をつけていれば疫病から免れる」と教えました。後にその地で疫病が流行った際、蘇民将来の一家だけが助かったという伝説に基づき、茅の輪が厄除けの力を持つと信じられるようになりました。
Q: この時期に食べられる特別な食べ物はありますか?
A: 京都などでは、「水無月(みなづき)」という和菓子を食べる習慣があります。これは、ういろうの上に小豆を乗せた三角形のお菓子で、三角形は暑気を払う氷を、小豆は魔除けの意味を表していると言われています。夏越の祓の日にこれを食べて、残り半年の健康を祈願します。