10月28日は何の日?何の記念日?。簡単なエピソードとぽんぷーのイラストを添えてご紹介します。ちょっとした雑学ネタとして、何となく知ってたらいつか役に立つかも?
※面白い記念日が認定されたら追加していきます。
言葉を書き留める技術の始まり: 速記の日
公益社団法人・日本速記協会が制定。日付は、1882年(明治15年)10月28日に、田鎖綱紀(たくさり こうき)が考案した日本初の速記方式「日本傍聴筆記法」の講習会を東京・日本橋で初めて開催したことに由来します。
Q: 速記とはどのような技術ですか?
A: 人の話す言葉を、特殊な符号や省略文字を用いて、話す速度とほぼ同じ速さで書き取る技術のことです。議会や裁判、講演会、インタビューなどの記録に用いられてきました。
Q: なぜ田鎖綱紀の講習会が記念日の由来なのですか?
A: 彼が考案した速記方式とその講習会の開催は、日本における速記術の普及と発展の出発点となりました。それまで日本語を効率的に書き取る方法がなかった中で、彼の業績は画期的なものでした。この日は日本の速記の誕生日と言えます。
Q: 現在、速記はどのように活用されていますか?
A: ICレコーダーなどの録音技術が発達したため、以前に比べて活躍の場は変化していますが、国会や地方議会、裁判所などでは、公式な記録を作成するために速記者が重要な役割を担っています。また、字幕放送の作成などにも速記の技術が応用されています。
発行部数の信頼性を守る: 日本のABCの日
新聞や雑誌などの発行部数を公正に調査・認証する第三者機関である、一般社団法人・日本ABC協会(JABC)が1988年(昭和63年)に制定。日付は、同協会が設立された1952年(昭和27年)10月28日にちなんでいます。(制定年と日付の由来の記述が少しずれていますが、協会設立日に基づくと思われます)
Q: ABC協会とはどのような団体ですか?
A: ABCは “Audit Bureau of Circulations” の略で、「発行部数公査機構」と訳されます。新聞、雑誌、専門紙誌、フリーペーパーなどの発行部数を、広告主や広告会社、発行社の三者で構成される会員のために、共通の基準で調査・確認し、認証する機関です。広告取引の基準となる正確な部数情報を提供します。
Q: なぜ発行部数の認証が必要なのですか?
A: 広告主は、広告を掲載する媒体(新聞や雑誌など)を選ぶ際に、その広告がどれだけの人に届くか(リーチ)を判断する重要な指標として発行部数を参考にします。ABC協会のような第三者機関が公正な部数を認証することで、広告取引の透明性と信頼性が保たれます。
Q: アメリカでABCが誕生したのはなぜですか?
A: 20世紀初頭のアメリカでは、新聞や雑誌が発行部数を過大に公表することが横行し、広告取引における混乱や不信感が高まっていました。この問題を解決するために、広告主、広告会社、発行社が協力して、公正な部数監査を行う機関としてABCが設立されました。
ふるさとの歩みを祝う: 群馬県民の日
群馬県が1985年(昭和60年)3月30日に制定した、県民のための記念日です。日付は、1871年(明治4年)の廃藩置県によって、旧来の藩に代わって現在の群馬県域に初めて「群馬県」という名称の県が設置された日(旧暦10月28日)に由来します。
Q: なぜ「県民の日」が制定されたのですか?
A: 県民一人ひとりが、郷土である群馬県の歴史や文化、自然について理解と関心を深め、自治意識を高め、より豊かな郷土を築き上げていく意欲を持つことを期する(目的とする)ために制定されました。県民としての一体感を醸成する日でもあります。
Q: 廃藩置県とはどのような出来事でしたか?
A: 明治政府が、それまでの藩制度(大名が領地と領民を支配する体制)を廃止し、全国を府と県に再編して中央政府が直接統治する体制(中央集権体制)を確立した改革です。これにより、近代的な統一国家としての日本の基礎が築かれました。
Q: 群馬県民の日にはどのような行事がありますか?
A: 県内の多くの公立学校が休みになり、県有施設(博物館、美術館、公園など)の入場料が無料または割引になったり、県庁での記念イベントや、各市町村でも地域にちなんだ様々な催しが行われたりします。
和食の基本、だしの起源に感謝: おだしの日
うどん・そば店などを展開する株式会社太鼓亭(大阪府)が制定。日付は、「おだし」の代表的な素材である「かつお節」の品質を高める重要な製法「燻乾(ばいかん)カビ付け製法」を考案したとされる江戸時代の紀州印南浦(いなみうら、現在の和歌山県印南町)の漁民・角屋甚太郎(かどや じんたろう)の命日(1707年10月28日)にちなんでいます。

Q: なぜ株式会社太鼓亭が制定したのですか?
A: 同社はうどん・そば店を経営しており、料理の味の決め手となる「だし」へのこだわりが強いと考えられます。日本の食文化の根幹である「だし」の重要性や、その歴史、美味しさを広く伝えるとともに、だしの起源に貢献した人物への敬意を示すために制定したのでしょう。
Q: 「燻乾カビ付け製法」とはどのようなものですか?
A: 鰹を煮熟(しゃじゅく)した後、燻(いぶ)して乾燥させる工程(焙乾:ばいかん)を繰り返し、さらに優良なカビ(鰹節菌)を付けて熟成させる製法です。これにより、水分が減って保存性が高まるだけでなく、脂肪分が分解され、独特の旨味と香りが生まれます。現在のかつお節(本枯節)の基本的な製法です。
Q: 角屋甚太郎はどのような人物だったのですか?
A: 江戸時代前期に紀州(和歌山県)で活躍した漁民で、従来の燻製法(焙乾)に加えて、カビを付けて熟成させるという画期的な方法を考案し、かつお節の品質を飛躍的に向上させたと伝えられています。彼のおかげで、現在の風味豊かなかつお節が生まれました。
台湾発ヘルシースイーツ: 豆花(トウファ)の日
食料品や雑貨の輸出入・販売などを行う株式会社aito&Co.(東京都港区)が制定。日付は「トウ(10)ファ(28)」(豆花)と読む語呂合わせから。台湾の伝統的なスイーツである豆花の魅力を日本で広めることが目的です。
Q: 豆花(トウファ)とはどのようなスイーツですか?
A: 豆乳を硫酸カルシウムなどの凝固剤で固めた、プリンや豆腐のように柔らかく滑らかなデザートです。そのもの自体は甘くなく、シロップ(黒糖や生姜など)をかけたり、タピオカ、小豆、フルーツ、芋圓(芋団子)などをトッピングしたりして食べます。温かいものと冷たいものがあります。
Q: なぜ「トウ(10)ファ(28)」の語呂合わせになるのですか?
A: 「トウ」を数字の「10」に、「ファ」を「2(ふたつ)」と「8(はち)」を組み合わせた音にかけていると考えられます。あるいは、「ハ」の音を数字の「8」に当てはめたのかもしれません。台湾スイーツをPRするためのユニークな語呂合わせです。
Q: 豆花の魅力は何ですか?
A: つるんとした喉ごしの良さと、大豆由来の素朴な風味が特徴です。甘さ控えめでヘルシーな点も魅力で、トッピング次第で様々な味や食感を楽しめます。見た目も可愛らしく、台湾スイーツの中でも特に人気があります。
広報活動の原点: プレスリリースの日
プレスリリース配信サービスなどを提供する株式会社PR TIMESが制定。日付は、「近代PR(パブリック・リレーションズ)の父」と呼ばれるアメリカ人、アイビー・リー(Ivy Lee)が、世界で初めてとされる公式な「プレスリリース」を発信した1906年(明治39年)10月28日に由来します。
Q: なぜPR TIMESが制定したのですか?
A: プレスリリース配信を主要事業とする企業として、その原点となった歴史的な日を記念し、プレスリリースの意義や役割、そして広報・PR活動全体の重要性を社会に広く伝えることを目的としていると考えられます。自社の事業価値を高める意味合いもあります。
Q: アイビー・リーが発信した最初のプレスリリースとは?
A: ペンシルバニア鉄道で発生した列車事故に関して、リーは鉄道会社の依頼を受け、事故に関する情報を隠蔽するのではなく、積極的に報道機関(プレス)に対して正確な情報を提供するという方針を打ち出しました。その際に発表された公式声明が、世界初のプレスリリースとされています。これにより、企業とメディア、そして社会との間に、透明性のあるコミュニケーションを築くという現代PRの基礎が作られました。
Q: プレスリリースはどのような目的で使われますか?
A: 企業や団体が、新製品や新サービス、イベント開催、経営情報、社会貢献活動などに関する情報を、報道機関を通じて社会に広く知らせるために発表する公式文書です。報道されることで、認知度向上、信頼性獲得、理解促進などの効果が期待されます。
自由と民主主義の象徴: 自由の女神像完成記念日
1886年10月28日に、アメリカ合衆国の独立100周年を記念してフランスから贈られた「自由の女神像」(Statue of Liberty)の完成除幕式が、ニューヨーク港のリバティ島で行われたことを記念する日です。正式名称は「世界を照らす自由(Liberty Enlightening the World)」です。
Q: なぜフランスからアメリカへ自由の女神像が贈られたのですか?
A: アメリカ独立戦争の際にフランスがアメリカを支援したという歴史的な友好関係と、両国が共有する自由と民主主義という理念を称え、その絆を象徴するものとして、フランス国民からの募金によって制作・寄贈されました。
Q: 自由の女神像にはどのような意味が込められていますか?
A: 右手に掲げたトーチは「世界を照らす自由」を、左手に持つ銘板(独立宣言の日付が刻まれている)は「独立」を、足元の鎖は「専制政治からの解放」を象徴しています。頭の冠にある7つの突起は、世界の7つの大陸と7つの海に自由が広まることを表していると言われています。希望や移民の象徴としても捉えられています。
Q: 自由の女神像はどのように作られましたか?
A: フランスの彫刻家フレデリク・オーギュスト・バルトルディがデザインし、内部の鉄骨構造はエッフェル塔の設計者ギュスターヴ・エッフェルが担当しました。フランスで制作された像は分解されてアメリカへ船で運ばれ、アメリカ国民の寄付で建設された台座の上に組み立てられました。